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02. 安全な骨組み

02. 家族の命を守る安全な骨組み
木造建築の安全性において重要なのは、柱と梁・桁のような木材同士のつなぎ目(仕口)です。しかし在来プレカット工法では木材の削られる部分(断面欠損)が多く、安全性に疑問が残ります。
「KS構法」では、仕口の断面欠損を少なくするために、スリット加工を用いた金物工法を採用しています。しかし、金物工法で使用される木材の多くは外国産の集成材です。なぜなら、国産無垢材は乾燥によって木が痩せ、ボルトが緩んだり、めり込んだりするリスクが高まるからです。
そこで、「KS構法」は国産材にこだわり、これらの問題を解決するために「KSジベル」を開発しました。この「KSジベル」を主要なつなぎ目(仕口)に挿入することで、国産無垢材でも断面欠損の少ない金物工法に適応した安全な骨組みを実現しました。

KSジベルの特徴

「KSジベル」は直径25mmの太さを持ち、連結部に十字架型で挿入します。これにより、無垢材の木痩せによるボルトの緩みを防ぎ、金物(ボルト)のめり込みを軽減します。
さらに、地震時に発生する力を中心から全方向へ均等に伝えることで、力の回転(ねじれ)を防ぎ、つなぎ目(仕口)の破壊を和らげます。このように、「KSジベル」は国産無垢材を活用した連結部の安全性を大幅に向上させる役割を果たしています。

接合の破壊試験
接合の破壊試験

『KS構法』は、公的機関である熊本県林業研究指導所と協力し、つなぎ目(仕口)の破壊試験(せん断試験や引き抜き試験など)を行い、安全性を確認しています。試験の結果は公的なデータとして蓄積され、構造計算や構造解析の基準耐力値として活用されています。このように、破壊試験データを用いて『KS構法』の安全性が確認されています。



無垢材の木瘦せとは… 無垢材とは、天然の木をそのまま使用した材木のことです。無垢材は時間が経つにつれて乾燥し、体積が減ることがあります。この現象を「木瘦せ」といいます。

柱と梁・桁のつなぎ目(仕口)とは… 柱と梁・桁を接合する重要な部分です。適切に考慮されないと、地震や強風で建物が、倒壊する危険があります。

構造計算とは… 建物の安全性を確認するための計算です。建物にかかる重さや地震、風などの力を考慮し、柱や梁の必要な強さを算出し、安心して長く使用できる建物が実現します。

プレカット技術の進歩とその影響

昔は、建物に使う木材を大工職人が手刻みで精密に加工し組み立てていましたが、現在では機械によるプレカット加工が主流になっています。この技術の進歩により、大量生産が可能となり、加工の精度も向上しました。しかし、機械化には新たな課題もあります。
プレカット加工では、つなぎ目(仕口)の木材が非常に薄くなることがあります。これを断面欠損といい、木材のつなぎ目(仕口)や構造部材が加工や切断によって本来の断面を失い、強度が低下することを指します。効率的に部材を組み立てるために特定の形状に切断される際、つなぎ目(仕口)が薄くなったり、小さな断面しか残らなかったりすることがあります。このような断面欠損が生じると、構造材の強度が不足し、地震や風などの外力に対する耐久性が損なわれる危険があります。
実際、熊本地震では、多くの建物がつなぎ目の弱さによって倒壊しました。このように、現代のプレカット技術は安全性に関する新しい課題を生んでいます。
『KS構法』では、これらの問題を解決するために「KSジベル」を開発し、プレカット加工の進化とともに安全性の確保を目指しています。安全な住まいを実現するためには、技術の進歩に対応しながら、構造の強度と耐震性を維持することが重要です。





耐震等級3確保のすすめ

『KS構法』では、「耐震等級3」の確保が可能です。この等級は最も高い耐震性能を示し、「耐震等級1」の1.5倍の耐震性を持っています。大地震が起きても建物の倒壊を防ぎ、ダメージを最小限に抑えることで、大切な家族を守りながら安心して暮らせます。
さらに、「住宅性能評価」を受けた「耐震等級3」の住宅は、安全性と品質が高く認定されます。この認定により、将来的には住宅の資産価値が向上し、売却時に有利になる可能性があります。「住宅性能評価」は、2000年4月1日に施行された「住宅の性能表示制度」に基づいており、耐震性や断熱性などの性能を数値で示し、住宅の品質を客観的に理解するためのシステムです。



構造計算書

構造計算書は、建物の安全性を確認するための重要な書類です。この書類には、構造計算の概要、仮定条件、計算式、計算結果などがまとめられています。一般的な住宅では構造計算書の提出は義務ではありませんが、『KS構法』では必要に応じて構造計算書を提出します。これにより、より安全で安心な住まいを提供することを目指しています。


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